2013年4月27日土曜日

ある原稿締切日のできごと

今日はちょっとした事件があった。それは国際会議の投稿締め切り当日の午後だった…


先輩①「かわたろ君、原稿の様子はどう?」
ぼく「だいだい書けました、あとは結論書いてボスに見せて参加登録する感じです」
先輩①「おっけおっけ」
先輩②「締め切りまであと24時間ぐらいあるし、順調だね」

ぼくたちは今日締め切りの国際会議原稿を書いていた。締切当日ということで、今日はみんな原稿執筆に時間を割いていた。今日が締切ということは、今日の深夜24時(現地時間)までは受け付けているのが通常だ。この時期は東部夏時間(EDT)を基準にしている。したがって時差が13時間ある日本時間(JST)では翌日(27日)の13時が締切ということになる。

昼食を終え研究室に戻る。


先輩①「あのトンカツ油っぽかったな」
ぼく「カレーそばは美味しかったですよ、辛かったですけど」
先輩②「そんな邪道な食べ物・・・」

先輩①「あ、そうだ。原稿はまだでも参加登録だけ先に終わらせた方がいいよ、ギリギリになってトラブるのも困るし」
ぼく「そうですね、やっておきます」
先輩②「こっそり俺を連名にしてくれてもいいんだよ?」

ぼく「(カタカタ…)」
ぼく「……!?
ぼく「これ…受付終了してね…?」

ぼく「せ、先輩先輩!」
先輩①「どうした、慌ててるなおい」
ぼく「なんか、投稿受付終了してるんですけどこれ…」
先輩①「え…ええ?!まじで!!?締め切りって今日だったよね?」
先輩②「どうした」
先輩①「なんか、全て終わってるみたい」
先輩②「?」


ぼくたちは、東部夏時間で26日いっぱい、すなわち26日の23時59分までは受け付けていると思っていた。しかし投稿Webページには「April 26, 2013 00:00:00 EDT」受付終了と書かれている。つまり日本時間の26日13時に締め切られたということだ。昼食を終えて研究室に戻ったのは13時20分。


ぼく「20分前に終わってるみたいです」
先輩①「バカな!そんなバカな!俺まだ投稿してないぞ!」
先輩②「僕もまだ。あは、あはははは」


普段は冷静な研究者であるお二人がおかしくなる。


ぼく「と、とりあえずボスに報告します」
先輩①「う、うん、お願い」
先輩②「それにしても、26日締切と告知しておきながら26日の午前0時に締め切るって普通じゃないぞ」


そうなのだ、普通は締切日中は受け付けているものなのだ。


ぼく「ボス、電話出ませんね」
先輩①「これは運営側の手違いに違いない!」
先輩②「そうだ!絶対おかしい!」
先輩①「とりあえず様子を見てみよう」
ぼく「ぼくまだ原稿仕上がってないので執筆続けますね…」


予想外の冷や汗をかきつつも、原稿を完成させないと今までの苦労が無駄になるので頑張って論文を書く。


ぼく「(ここ英語でどうやって表現すればいいんだ??)」
ぼく「(もうまじ公用語英語でいいよ…)」
ぼく「(脳みそがワカメになるぅ)」


先輩①「…たろ君!かわたろ君!かわたろ君!」
ぼく「え!は、はい!どうしました!?」
先輩①「受付再開したよ!」
ぼく「まじすか!!!」


何があったのか分からないが、何事もなかったように受付が再開していた。
おそらく世界中から抗議が殺到したのだろう。そりゃそうだ。


先輩②「よかったー これで心置きなくGWデートできる」
ぼく&先輩①「(こ、この人カノジョいるの!!?)」


外国人が運営する国際会議なんてこんなもんなのかもしれない、向こうの人が大雑把なのか日本人が細かすぎるのか。


2013/04/27 11:30 追記
結局、締切6時間前になって締切が2週間も延びた(#^ω^)ビキビキ

2013年4月24日水曜日

Android開発でLogcatをまな板の上にのせる

 ようやく研究のエンジンが掛かり始めてきた感じなのでブログでも紹介していこうと思っていたが、NDA(秘密保持契約)を結んでいる共同研究があって下手なこと言えないことに気付いた。あぶない。

 ということで今日はTIPSを書いてみる。eclipseでAndroid開発をすることがあるのだが、ログの監視にLogcatを用いている。簡単にログを出すことができるのだが、このログをテキストに保存する方法が一発では分からない。探してみるとコマンドラインからログを吐き出すことができるらしい。
$ adb logcat hogehoge:V
とすると、hogehogeというtagのログがリアルタイムで吐き出されるはずなのだが、僕の環境ではどうもうまくいかず、tagで絞られるはずが全てのログがダラダラと出てきてしまう。オプションをいろいろ変えてみたけれど一向に改善しない。もうええわ!!となって以下のようにした。
$ adb logcat | find "hogehoge"
これで目的は達成した。テキストに保存するならばこうすればいい。
$ adb logcat | find "hogehoge" > piyopiyo.log
以上、Logcatをさばくためにまな板の上にのせるおはなし。


2013/04/24 0:43追記

teeコマンドを使うと標準出力に出しつつファイルに保存できるらしい。>友人より助言

2013年4月22日月曜日

ポモドーロテクニック

 先日ようやく家にネットが繋がった。今まで更新が途絶えていたのはそのためなので悪しからず(決して飽きたわけではない)。

 今日はポモドーロテクニックの話題。これは仕事を集中して進めるためのテクニックで、Francesco Cirillo氏が考えたもの。

 概要なこんな感じ(はてなより引用)
  1. 25分を1ポモドーロとし、やるべきタスクを1ポモドーロ刻み(25分毎)に分ける。
  2. 25分間は、他の事は一切やらず、タスクに集中する
  3. 25分経てば、5分間の休憩を入れる
  4. 4ポモドーロ毎(2時間毎)に30分程の長い休憩をとる
  5. 後は上記を繰り返す
 学生の頃にこれを使って辛く厳しい博士論文をガリガリ書いていたのは記憶に新しい。少し工夫するだけで集中して効率よく仕事を進められるテクニックというのは偉大だ。

 ポモドーロテクニックを支援するツールはAndroidアプリやたぶんiPhoneアプリなどでもたくさんあるが、僕のオススメはこれ。twitterと連携して「今から仕事するよ!!」ということをフォロワーに宣言することで、twitterで遊べなくするという画期的機能付き。あと、僕はこの作者さんの著書や研究内容にとても魅せられていて、ある機会に直接お話ししたときもとてつもなく面白い方だったので、そんな意味でもオススメ超オススメ。

 ちなみにポモドーロとはイタリア語でトマトのこと。トマトの形をしたキッチンタイマーから来ているらしい。

2013年4月2日火曜日

国防関係ウラ話

 うちの研究所にはいろんな経歴を持った人が集まる。僕の同期(と言っても年上)にも某重工業からやってきた人がいる。国防関連をやっていたらしく、ウラ話がとても面白い。我が国には実は××が存在しているとか、あの国の××は実用上意味が無いとか(伏字ばかりでごめんなさい)、公には知られていないけどその業界では常識なことが多々あるらしく、それがとにかく面白い。
 中でも一番面白かったのが、米軍基地の話だ。日本に米軍基地はいくつもあるのに、なぜ普天間基地が特に移設を訴えられているのかということも分かりやすく教えてくれた(嘉手納や座間や横須賀とは決定的に違うものがある)。
 ウラ話はさておき、いろんな人と人脈が広がるのはすごく嬉しい。こういう人と共有する一日一日一分一秒を大切にしたい。

2013年4月1日月曜日

27歳の新社会人

 今年3月末に学位を取り、4月付けで研究員として働くこととなった。この歳(と言っても、学部→博士前期→博士後期をストレートに行って27歳になる)にして新社会人というと友人たちはみな驚くのだが、まぁこういう世界もあるということで納得してもらいたい。
 一応4月の最初の週は新人研修ということで、組織の成り立ちや仕組みや各種手続きに関するガイダンスを受けることになっている。おそらく、皆が思い浮かべる「新人研修」とはかけ離れていて、一番若くて27歳、上は50歳近くの人が一緒に研修を受けている。新卒の僕らはヒラの研究員だが、先述のミドルな方々はもっと上の役職として外部からやって来たりしている。老若男女が同じ部屋で同じ新人研修を受けている光景は、あまり一般的なものではないだろう。
 今日の講義では研究所の在り方を主に教えてもらった。研究所の憲章や責務といった、何のために我々があるのか?と言ったざっくりした概要を聞いた。要は
「しっかり研究して成果出せよ、社会に還元しろよ、結果を国民にアピールしろよ」
といった感じであった。税金で運営している以上、研究内容や成果を国民に分かりやすく説明するのは当然の責務である。ここが大学との大きな違いの一つである。
 また、当たり前のことだが、研究は大学・公的研究機関(独法など)・民間企業で行われているが、それぞれ担当するべき(担当しやすい)フェーズが異なる。フェーズを基礎・応用・実用化・普及と分けると、大学は膨大な予算が必要な実用化や普及を行うことは難しく、民間企業は(お金にならないかもしれない)基礎研究に手を出すことは難しい。そこで、大学よりも予算が多く、利潤最優先ではない公的研究機関だからこそできることがある。
 これから僕はこの研究所の一員として、我が国にどのような貢献ができるのか。そして研究者としての自分をどのようにキャリアアップしていけるのか。今日がその第一日目である。

このブログについて

 このブログでは、新米研究者の「かわたろ」が日々の生活で思った事や感じた事や吐き出したい事を、取り留めなく公開していきます。職業研究者の方の役に立つ情報があるかもしれないし、ないかもしれません。また、バイ◯ハザードに出てくるアイテムっぽいタイトルですが、他意はありません。

一人称は「ぼく」または「僕」。このエントリを除いて、基本的には常体(〜だ。〜である。)でお送りします。

所属:某国立研究機関
専門:センサ工学、無線工学、情報科学、神経工学
学位:博士(工学)

過去のブログ→ある大学院生の日記

2013年4月1日 作成