一応4月の最初の週は新人研修ということで、組織の成り立ちや仕組みや各種手続きに関するガイダンスを受けることになっている。おそらく、皆が思い浮かべる「新人研修」とはかけ離れていて、一番若くて27歳、上は50歳近くの人が一緒に研修を受けている。新卒の僕らはヒラの研究員だが、先述のミドルな方々はもっと上の役職として外部からやって来たりしている。老若男女が同じ部屋で同じ新人研修を受けている光景は、あまり一般的なものではないだろう。
今日の講義では研究所の在り方を主に教えてもらった。研究所の憲章や責務といった、何のために我々があるのか?と言ったざっくりした概要を聞いた。要は
「しっかり研究して成果出せよ、社会に還元しろよ、結果を国民にアピールしろよ」といった感じであった。税金で運営している以上、研究内容や成果を国民に分かりやすく説明するのは当然の責務である。ここが大学との大きな違いの一つである。
また、当たり前のことだが、研究は大学・公的研究機関(独法など)・民間企業で行われているが、それぞれ担当するべき(担当しやすい)フェーズが異なる。フェーズを基礎・応用・実用化・普及と分けると、大学は膨大な予算が必要な実用化や普及を行うことは難しく、民間企業は(お金にならないかもしれない)基礎研究に手を出すことは難しい。そこで、大学よりも予算が多く、利潤最優先ではない公的研究機関だからこそできることがある。
これから僕はこの研究所の一員として、我が国にどのような貢献ができるのか。そして研究者としての自分をどのようにキャリアアップしていけるのか。今日がその第一日目である。
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