2013年5月17日金曜日

状態遷移図で分かる「モンティ・ホール問題」 #1

モンティ・ホール問題とは確率論の問題で、アメリカのゲームショー番組を発端として一大論争が巻き起こった。その内容とは、
「プレイヤーの前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーが1つのドアを選択した後、モンティが残りのドアの内ヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレイヤーは最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアを変更すべきだろうか?」 -Wikipedia:モンティ・ホール問題より引用-
ドアを変更する場合としない場合、どちらが当たり(景品の新車)を引く確率が高いのか?という問題である。このゲームのルールを箇条書きにすると以下のようになる。-同上より引用-

  1. 3つのドア (A, B, C) に(景品、ヤギ、ヤギ)がランダムに入っている。
  2. プレイヤーはドアを1つ選ぶ。
  3. モンティ(司会者)は残りのドアのうち1つを必ず開ける。
  4. モンティの開けるドアは、必ずヤギの入っているドアである。
  5. モンティはプレーヤーにドアを選びなおしてよいと必ず言う。 
直感的に考えると、ドアが2つになることによって当選確率は1/2、つまり当たりもハズレも五分五分になると思ってしまうが、果たして正解はどうなのだろうか。この問題に対し、世界で最も高いIQを有しているとされるマリリン・ボス・サヴァントはこう答えた。-同上より引用-
「正解は『ドアを変更する』である。なぜなら、ドアを変更した場合には景品を当てる確率が2倍になるからだ」
つまり、当選確率は五分五分ではないと主張したのだ。この回答に対し、数多くの数学者から「彼女は間違っている」という意見が寄せられた。しかし、彼女は自分の正しさを疑わず、あの高名な数学者ポール・エルデシュエルデシュ数でも有名、ちなみに僕のエルデシュ数は5だった)までもが反論する中、自分の正しさを訴え続けた。そしてコンピュータシミュレーションの結果、最終的に彼女が正しいことが明らかになった。つまり、ドアを変更した場合の当選確率は、ドアを変更しなかった場合の当選確率の2倍になるのだ。こうして論争には決着がついた。さすが天才は凡人にはできないことを平気でやってのけるものである。


前置きはここまで。次回からこの問題を状態遷移図を使って直感的に分かりやすく表現しようと思う。

続く


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