2013年5月8日水曜日

Prediction in the dark #2

1回目:Prediction in the dark #1


Prediction in the darkの2回目、今回はアルゴリズムの組み立てを追っていく。前回同様デイトレードで例えて考えてみる。

次の日の値が“上がる”のか“下がる”のかを予測したい
モデル化するには事象を分かりやすく数値で表す必要がある。ここでは$t$日目に値が前日より“上がる”場合を$y(t)=0$、$t$日目に値が前日より“下がる”場合を$y(t)=1$とする。この場合、未来を予測するということは$t$日目に$t+1$日目を予測するということであり、すなわち$y(t+1)=?$を得るということである。

複数のトレーダーの予測を元にする
$M$人のトレーダーがいて、それぞれが独自に次の日の値を予測する場合を考える。トレーダー$i$人目の$t$日目の予測を$p(i, t)$とする。$p(i, t)$は$0$(=上がる)または$1$(=下がる)のどちらかである。

全トレーダーに重み(信頼度)を設定する
トレーダー$i$人目に対する$t$日目の信頼度を$m(i, t)$とする。信頼度の初期値は$1$とする。つまり、$m(i, 1)$は全ての$i$において$1$である。

予測が外れたトレーダーの重みは下げる
トレーダー$i$の$t+1$日目の予測が実際の$t+1$日目の結果と違っていたらトレーダー$i$の重みを下げる。つまり、$p(i, t+1)\ne y(t+1)$ならば、$m(i, t+1)=\beta \cdot m(i, t)$とする。ここで$\beta$は重み下げの係数で$0<\beta <1$の値をとる。

最終的な予測は、重み付きの多数決で決定する
“上がる”と予測したトレーダーの重みの合計と、“下がる”と予測したトレーダーの重みの合計を比較し、大きい方を採用する。


これがアルゴリズムの全てです。極めてシンプルですがその威力は驚異的です。次回はこの予測確率を解析的に求め、本当に最優秀トレーダー誤答率の2倍以内の予測が可能なのかを確かめます。

続く


2回目:Prediction in the dark #3

0 件のコメント:

コメントを投稿